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 角質層が水分保持する働きは?
 
 先述したとおり角質層が水分量を保っていられるのは皮脂膜・NMF(天然保湿成分)・細胞間脂質の働きによるものです。まずはそれらの働きを見てみましょう。
 
 ■皮脂膜
皮膚表面を覆い水分の蒸発を防いでいます。
 
 皮脂腺から分泌された皮脂と表皮ケラチノサイトから作られた表皮性脂質と汗腺から分泌された汗とが混じりあい皮脂膜はできています。
 皮脂膜は皮膚表面を覆うことで水分の蒸発を防いでいます。
 例えば、洗顔料などで洗顔をすると皮脂膜はきれいに洗い流されてしまいます。すると、外気の乾燥が、直接的に角質層に加わるので、水分が蒸発し、ツッパリ感を感じるわけです。
 洗顔後、一度洗い流されてしまった皮脂膜が再び形成されるのに数時間かかるといわれています。それを皮脂膜が形成されるまで、一時的に補うのが基礎化粧品の大きな役割になります。
健康な肌の構造
 
 ■NMF(天然保湿因子)
角質層内にある人が生まれもって持っている保湿成分。
 
 NMFの主成分はアミノ酸類、PCA(ピロリドンカルボン酸)、乳酸塩、尿素、クエン酸塩などで、これらの成分は水分との吸着性が強く、また一度とらえた水分をなかなか離さないという性質を持っています。
  このNMFが角質層に存在するために角質層は水分を吸収することができるのです。肌の保湿の要はこのNMFの吸水力にあります。
  このNMFは年齢とともに減少することがわかっています。NMFが減少すると角質層は水分保持能力を失ってしまいます。ドライスキンだといって単純に水分を補ってもNMFの減少でモイスチャーバランスがくずれているとかえってマイナス効果です。飛行機の機内などの乾燥したところで、おしぼりを使ったりするとそのときはしっとりしても、しばらくするとかえって顔がつっぱってしまうのはそのためです。ですから日々のケアではNMF成分と水分をあわせて補給することが大切になります。
NMFの成分
 
 ■細胞間脂質
角質細胞をつなぎ合わせる糊のような働きがあり、水分保持、外からの異物の侵入を防ぐバリア機能の要になります。
 
細胞間脂質 細胞間脂質の主成分はスフィンゴ脂質のセラミドです。角質細胞をタイルにた例えるとセラミドはそれらを張り合わせるタイルの目地の役割をします。セラミド自体にも水分保持の役割がありますが、NMFを抱え込むことで、より水分を保持し角質細胞をサンドイッチ状に張り合わせることができます。
 結果として肌表面はなめらかになり、水分の蒸発を防ぐことができるのです。 みずみずしく、滑らかな肌には、このセラミドが必要不可欠なのです。
 
 逆にセラミドが不足すると角質細胞が浮き上がってはがれてしまい、肌表面は、ざらつき、水分が逃げ出して、肌荒れ状態になってしまいます。

 また、肌のバリア機能が衰えてしまい外部の刺激(抗原、化学物質など)に過剰に反応してしまう敏感肌の傾向が出てきてしまいます。
 セラミドが不足するパターンは、加齢などの新陳代謝の衰えからくるパターンと、もうひとつは本来持っている肌質によるパターンがあり、アトピー性皮膚炎などの乾燥しやすい肌は、もともとセラミドが少ないことがわかっています。そのため、バリア機能が低下して、アレルギー反応が起こりやすくなり、水分保持の機能も衰えるために、慢性の乾燥肌になってしまうのです。
 
 通常の肌質の方でも、冬場には気温の低下などで、お肌の血流量が不足し、新陳代謝が衰えやすくなるために、セラミドが減少してくる傾向があります。そうなると、角質層がめくれ上がり表皮から水分が蒸発しやすくなってしまいます。こういった肌状態になったときには、セラミド配合のスキンケアが効果的なのです。
 

 
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