角質層が水分保持する働きは?

●細胞間脂質
 角質細胞をつなぎ合わせる糊のような働きがあり、水分保持、外方の異物の侵入を防ぐバリアゾーンの働きの要になります。

 逆にセラミドが不足すると角質細胞が浮き上がってはがれてしまい、肌表面はざらつき、水分が逃げ出して、肌荒れ状態になってしまいます。また、肌のバリア機能が衰えてしまい外部の刺激(抗原、化学物質など)に過剰に反応してしまう敏感肌の傾向が出てきてしまいます。
 アトピー性皮膚炎など乾燥しやすい肌はもともとセラミドが少ないことがわかっています。そのため、バリア機能が低下して、アレルギー反応が起こりやすくなり、水分保持の機能も衰えるために慢性の乾燥肌になってしまうのです。また、加齢によってもセラミドが減少し始め、汗をかかない季節になると角質層がめくれ上がり、表皮から水分が蒸発しやすくなってしまいます。こういった肌にはセラミド配合のスキンケアが効果的なのです。
 角質層の水分保持の働きは、NMFが水分をつなぎとめ、角質細胞と角質細胞の間で細胞間脂質がNMFと共に水分を挟み込みこみます。
 そして、これらの水分を皮膚表面から逃がさないように皮脂膜が薄いシールになって覆います。この3つの働きがそろってはじめて、バリア機能が発揮され、みずみずしいお肌を保つことができます。

 細胞間脂質の主成分はスフィンゴ脂質のセラミドです。角質細胞をタイルにたとえると、セラミドはそれらを張り合わせるタイルの目地の役割をします。セラミド自体にも水分保持の役割があるのですが、NMFを抱え込みむことでより水分を保持し、角質細胞をサンドイッチ状に張り合わせることで、肌表面はなめらかになり、水分の蒸発を防ぐことができるのです。みずみずしく、滑らかな肌には、このセラミドが必要不可欠なのです。

(3/5)